「KUMONOS」は、離れた所からひび割れ幅が測定できるため、外壁調査でも足場や高所作業車を使う必要がなく、安全に調査ができます。
また、高精度な位置座標を持つ計測データを機械的に取得できるうえに、CADデータへも自動的に変換されるため、正確な3次元データ化が可能です。その結果、ひび割れの成長度を定量化できるため、時間の経過に伴う耐久性の低下を把握することが容易になり、適切な補修計画を可能にします。

さらに壁の表側と裏側においては、正確なひび割れ形状の測定結果から、貫通したひび割れを発見することで、建物にかかる負荷を正確に分析するなども可能です。
しかも、ひび割れの箇所に近づくなどの手間が省けるうえ、計測結果をデータ処理する工程も自動化されているので、調査期間を大幅に短縮します。KUMONOSを2台以上用いて計測し、データ化の段階で合成することも可能で、それにより調査期間のさらなる短縮が可能です。
 
「ひび割れは、耐震強度などコンクリート構造物の耐久性を診断する際の重要な指標です。」

建物などにひび割れが入ると、その分だけ耐震強度をはじめとする耐久性は低下します。特に、深いひび割れは、建物を支える鉄筋の腐食要因です。それだけではなく、ひび割れは、建物に耐久性の低下を招くような異常が発生していることを伝える信号でもあるのです。たとえば、地盤の変化により土台が傾き、建物に歪みを生じるような力が加われば、ひび割れが起こりますが、このような力は、耐久性を低下させる大きな要因になります。

「コンクリート構造物の耐久性調査を大きく変える新システム」
 

現在、ひび割れ測定は、クラックスケールと呼ばれる定規のような道具をひび割れ部分にあてて幅を測定し、その形状を鉛筆で紙にスケッチする方法で行われています。しかしこの方法では、ひび割れが外壁の高いところにある場合、高所作業車や仮設足場を使用するため、手間がかかり、そのうえ危険も伴います。しかも、最終的に手書きで紙に落とし込むわけですから、その形状や位置座標についての正確な測定結果は得られません。また、分析のために、コンピュータ上で2次元データに変換する必要がありますが、その際、再度CADでのトレースといった手作業が加わり、さらに誤差が大きくなります。正確なデータが取得できなければ、年を追うごとのひび割れの変化を比較するという耐久性を判断するうえで最も重要な分析を行うこともできません。
とはいえ、これまでは、他に方法がなく、耐久性が低下していても正しく把握できないのが現状でした。
このような問題を解決したのが、今回開発した新システム「KUMONOS」です。世界で初めてひび割れの幅と位置座標を離れた所から正確に測ることを可能にしたもので、建造物の耐久性調査を大きく変えるものと考えています。
 
「従来の測量技術との比較」