3D測量 3D Solution

3D測量とは?

 非接触の3D測量を挙げても、さまざまな計測手法(機器)が存在しています(下図参照)。

 日本での3D計測(測量)は、2000年頃を皮切りにまずは工業分野が主となって活用が始まり、続いて文化遺産や土木分野にも広まりました。当社は2005年より3Dレーザースキャナの業務をスタートさせ、2006年にデジタイザ、2012年にUAV(ドローン)、2016年にレーザースキャナ搭載のUAV(通称UAVレーザー)の業務をおこなってきました。2016年に国土交通省がi-Construction(アイ・コンストラクション)をスタートさせたことを起因として、近年UAVや3Dレーザースキャナの保有会社が一気に増えています。

 そういったなかで、3D測量の老舗(パイオニア)として、全国から依頼を請け、3D測量の実施、データ処理(モデリング)、レプリカの作成、技術指導(トラブルシューティング含む)、講演・勉強会の実施などをおこなっています。なかでも対象(目的)とワークサイズ(測量範囲)の関係における適切な手法・機器の提案(コンサルティング)には、大変ご好評いただいております。

現在までの3D測量における業務内容

土 木道路、法面、河川、海岸、ダム、構造物、建築物・・・
文化遺産遺跡、古墳、史跡、出土物、記念物・・・
工 業工場施設、金属部品、医療部品・・・
その他モデリング、レプリカ作成、シミュレーション、AR・VR・MR・・・

3Dデジタイザ

 3Dデジタイザは、三角測量法、モアレ(下図)の2種類原理いた測定機器呼称です。

 3Dレーザースキャナは数百ⅿ離れた対象を計測出来るのにし、デジタイザは1~2ⅿの距離しか計測できません。ただし、分解能はミクロン~0.1mm単位となっており、工業製品精密測定いられてきました。それらは文化遺産にも応用され、出土遺物の、加工紋様などのディテールをえて、立面やレプリカ作成に、実物により反映させています。

 近年では、写真測量いた詳細な解析もおこなわれていますが、カメラ撮影一定程度技術必要なこことや、撮影後の3D化工程時間がかかることなどから、即時性精度確度保証がある3Dデジタイザは、工業文化財分野で、必要不可欠なアイテムとなっています。

3角測量法
※3D Laser Scanning for Heritageより抜粋

モアレ法

当社使用の3Dデジタイザ

製品名VIVID9iRANGE7SmartScan(※1)
メーカーKONICA MINOLTAKONICA MINOLTAHEXAGON
機器画像
使 用

※1 業務提携により使用可能


3Dレーザースキャナ

 3Dレーザースキャナ(TLS)は、タイム・オブ・フライト(TOF法)、又は位相差法の原理を用いた測量機器です(下図)。またはレーザープロファイラーと呼ばれることもあります。 

 3Dレーザースキャナは三脚に固定した、短・中距離(半径100~400m)、長距離(半径1000~4000m)のタイプがあり、本体が水平回転、ミラーが鉛直回転することにより、ほぼ球状に計測が出来ます。トータルステーションと同時に作業することが多いため、土木分野では観測距離が近い短・中距離のタイプが好まれる傾向にあります。発売当初15~20kgあった本体も、現在ではワイヤレスで5kg近くまで軽量・コンパクト化されて、可搬性や機動力が大幅にアップしました。

 2016年に国土交通省のi-Construction(アイ・コンストラクション)が始まった以降は、測量機器として一般化しつつあります。また最新のトレンドとしては、三脚レスのハンディタイプが登場してきました。

TOF法
3D Laser Scanning for Heritageより抜粋

位相差法

当社使用の3Dレーザースキャナ

製品名Focus3D X330VZ400(※1)Trimble TX8 (※1)
メーカーFARORIEGLNIKON-TRIMBLE
機器画像
 

※1 業務提携により使用可能


UAV(ドローン)写真測量

UAVとは無人航空機(Unmanned aerial vehicle)の呼称です。UAS (Unmanned Aircraft Systems) や、一般では短くドローン(drone)と呼ばれることもあります。

 国土交通省のi-Construction(アイ・コンストラクション)ではUAVを名称として採用したことから、土木関係者間ではUAVが一般的です。

 i-Constructionでの活用法は、自律飛行による写真測量用の空撮が主体となっており、その背景には、SfM(Structure from Motion)自動解析ソフトが普及したことがあります。現在市販のソフトではバンドル調整法(下図)を基本としたものが大半であり、それらソフトの大量演算の高速処理を可能にした、近年のPCスペックの貢献度も高いと思われます。

バンドル調整法

当社使用のUAV

製品名SPARKDJI MAVIC 2 PROSPIDER UD8(※1)
メーカーDJIDJIルーチェサーチ
機器画像
 

※1 カメラジンバル用三脚装備時

当社使用のSfMソフト

メーカーソフトウェア名備  考
AgisoftPhotoScan
Pix4DPix4Dmapper
BentleyContext Capture業務提携により使用可能

UAVレーザー

 UAVレーザーとは、小型のレーザースキャナとGNSS/IMUを搭載した、UAVの呼称です。規制が厳しくなることより、離陸重量25kg以下の機体が多いですが、市販UAVと比較するとかなり大型です。

通常のUAV写真測量との違いは、植生域の取得データの差にあります。写真測量では樹木や草などの植生域では葉や枝の表面のみを解析し、3D化しています(下図参照)。一方UAVレーザー測量では、葉などの植生(ファーストパルス)と地表面(ラストパルス)の、それぞれの高さを検出可能になります。

 林野庁の統計によると、日本の森林率は67%であることから、UAVレーザーを必要とする範囲は非常に大きいと考えられます。また、水中を計測できるグリーンレーザーの開発も進んできました。

 最近は高額なGNSS/IMUではなく、車の自動運転技術にも採用されている、光学系・レーザー系センサー等のSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)をUAVに応用し、GPSが入らない場所や、室内閉鎖空間などの自律飛行も可能になってきています。

写真測量の問題点

当社使用のUAVレーザー

250製品名SPIDER UD8SPIDER LX8(※1)
水中:グリーンレーザー搭載
メーカールーチェサーチルーチェサーチ
機器画像
 

※1 業務提携により使用可能


レプリカ制作

3D計測が行われる以前は、文化遺産のレプリカ作成は実物による型取りが主体でした。職人技による精密な型取りが可能でしたが、脆弱な対象物などは常に破損のリスクが伴っていました。3Dデジタイザ等が普及すると非接触の3Dデータ取得が可能になり、破損のリスクは軽減されました。ただしデータを制作する機器はNC切削機が主体であり、複雑な構造の造形には不向きでした。
  
 3Dプリンター元年と呼ばれた2013年以降には、積層や光造形など、材料を含め多彩な造形が可能な機器が次々と登場し、一般ユーザーにも手が届く価格帯の機種も発売されたことから、”3Dプリンター”の呼び名は広く使われるようになりました。

 2006年より3Dデジタイザで文化遺産を中心に、精密な計測を実施してきた当社は、博物館などの”展示”に耐えうるハイエンドなレプリカ制作を実施してきました。過去の実績を例に、3Dデータ取得法、材質や製作機器の選定、着色法など、場合に応じて専門家も召集し、ご提案いたします。

当社使用の3D造形

製品名NC切削(6積層プリンター光造形・レーザー焼結
イメージ画像
3D計測3Dデジタイザ、3Dレーザースキャナ―、写真測量 実施
3Dモデル作成STLデータ変換分割作業実施
着色学芸員など彩色専門家招集可能

※1 3D造形は業務提携による(受枠などの反転造形も可)

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株式会社アイテック


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